大手前病院における過去5年問に経験した原虫感染症

摘要

生活環境の変化に伴い，原虫感染症の様相も変化しつつあり，臨床検査における十分な対応が望まれ ている．私達は臨床との連携を密に，各種検体からの原因原虫検出に取り組んでおり，今回は過去5年間の原虫感染症成績をまとめた．その結果，2005年1月から2009年12月の5年間に，原虫感染症疑いで精査したのは273名であり，2005年26名，2006年59名，2007年56名，2008年50名，および2009年82名と経年ごとに増加傾向を示した．被検材料別は，腸管粘膜46名，下痢便166名，角膜擦過物61名であり，補助検査としてコンタクトレンズ保存液42名の検査を実施した．検出原虫は月〟月班∂皿Oe∂∂Sp．が17例と最も多く，次いでEntamoeba histolytica 7例,Giardia lamblia 2例，Plasmodium vivax1例，およびIsospora sp.1例であった．