重機旋回規制システムの開発（旋回規制バックホウの現場運用）

摘要

バックホウは，建設工事に欠かせない重機として多くの現場で使用されている．土木工事では，作業場所が電力・通信等の架空線に近接していたり，路上の狭小な作業帯で第三者と接近して作業を行ったりすることも多い．このような場合，架空線側や第三者側に旋回しないよう安全指示を行うが，オペレータが誤って操作すれば，架空線や第三者への接触事故を発生させる可能性がある．一般的な接触防止対策としては，レーザセンサ等を用いて，重機先端部分が近接部に侵入した際に警報を出すシステムが使用されている（図-1）．これらのシステムでは，警報を出すことのみに留まり，危険な状況を把握して自動的に重機の旋回を停止させることは出来ないため，オペレータによる停止操作が必要である．そこで，予め設定した旋回規制帯方向に旋回操作した場合，バックホウの油圧回路を制御し，旋回規制帯の手前で段階的に旋回速度を緩めて規制帯に到達しないよう動作制限を行うシステムとして「旋回規制バックホウ」を開発した．本論では，システムの実現場への導入について報告する．