切削点送り速度ベクトル一定化制御法によるエンドミル加工の考察

摘要

近年，直進軸と旋回軸を具備した5軸制御マシニングセンタ（以下，5軸MCと呼ぶ）の普及が著しい．その理由としては，旋回軸の運動を割り出しに用いる治具レスな加工だけでなく，3軸MCでは工具と工作物が干渉してしまう複雑な形状の場合でも，直進軸・旋回軸を用いた同時制御によって加工が可能となるなどの長所が見いだされているためである(1)．その中で，同時5軸エンドミル加工では曲面形状の創製に際して，加工面品質の一定化が難しい．そこで，5軸制御工作機械の直進2軸と旋回軸を同期させ，工具とワークの切削点での送り速度ベクトルを一定にする(2)ことで加工面品質向上を目指す．