OTA データを用いたコロナ禍における観光行動の変化に関する一考察

摘要

2020 年以降，新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の感染拡大は世界中のあらゆる産業に影響を与えている．特に観光産業はこの影響が深刻な産業の1 つである．観光は人々の移動が前提となり，非日常空間でのアクテビティや飲食，宿泊等を楽しむものであるため，感染症対策という視点からは，感染を拡げる可能性の高い不要不急の行動として規制の対象となっている．本来であれば，観光は関連産業の多さから，経済波及効果が高いと期待されている分野であるが，今回のような規制を受けた場合には，反対に広範囲に負の影響を与えてしまう．こうした状況を打破するために，感染状況を鑑みて2020 年7 月以降にはGoToトラベルキャンペーンにより一時的に観光促進が行われた．しかしこの施策は多くの批判を集め，2021 年6 月現在，キャンペーンは停止し，観光は再び規制の対象となっている．