9 軸IMU と深度センサを用いた手書き入力デバイスの開発

摘要

MEMS(Micro Electro Mechanical System) 技術の発達により加速度センサ，ジャイロセンサで構成されるIMU(Inertial Measurement Unit: 慣性計測装置) は微小な半導体チップとして安価に供給されるようになり，スマートフォンをはじめとする様々な電子機器に搭載されている．本研究は加速度，ジャイロセンサに加えて地磁気を感知する方位センサを加えた9 軸IMU を実際の毛筆に取り付け，深度センサを搭載したUSB カメラを併用することで，書道などの筆記動作をコンピュータに取り込む筆記デバイスの実現を目指している．筆者は以前に9軸IMU のみを用いた場合の筆記デバイス実現の検証を行なっており，IMU の出力データから姿勢を計測できることを確認した[2]．その一方で，毛筆の位置はIMUから得られた加速度を2 回積分することで求めるので，ドリフトによる誤差の蓄積を抑制することが困難である．そこで本報告では撮影画像の画素毎の距離を計測可能な深度カメラを併用し，IMU の位置姿勢を計測する方法を試みた．