機械学習を用いた航空写真からの荒廃農地の判別に関する研究

摘要

近年，農業従事者の高齢化や後継者不足などにより農地の荒廃が深刻化しており，その対策が重要な政策課題となっている．こうした背景から，政府では2016 年度の税制改正により，遊休農地に対する課税強化が実施された．また，農林水産省では，2020 年に新たに策定された食料・農業・農村基本計画に基づいて，荒廃農地の再生利用に向けた施策を推進している．その推進にあたっては，荒廃農地の状況把握が必要不可欠であることから，市町村と農業委員委員会によって荒廃農地の調査[1]が毎年実施され，その所在把握が行われている．しかし，市町村すべての農地が対象であるため，多大な労力をかけて調査を行っても所在の把握に間違いや漏れが生じる可能性がある．