ステンレス鋼の板鍛造加工に適した非塩素潤滑油の開発

摘要

難加工に分類されるステンレス鋼の加工には塩素系油剤を用いるケースが多いが昨今の環境問題，錆問題より塩素系油剤から非塩素系油剤の要望が増えている。しかし，いまだにステンレス鋼の加工に塩素系油剤を使用するケースが多い。ステンレス鋼の特性として軟鋼板に比べ材料強度が高く，工具に大きな負担がかかるため加工しにくい。またステンレス鋼の構成元素であるクロム，は強い溶着性や高耐食性を有しているため，焼付きやすく極圧添加剤の受容性が低くなるため焼付き抑制を困難にする特徴がある。近年付加価値を高めるため板鍛造加工が増える傾向にあり，軟鋼板はもとよりステンレス鋼でも同様の加工が多くなっている。本研究では難加工材，特にステンレス鋼に着目した非塩素潤滑油の開発を行った。