ディーゼル機関におけるPIV測定による筒内スワール流の評価

摘要

ディーゼル機関において，エンジン回転数およびタンジェンシャルポートおよびヘリカルポートがスワール流に与える影響を評価することを目的として，PIV 測定を用いて単気筒ディーゼルエンジンのスワール流の速度分布を計測し，以下のことがわかった． 1. エンジン回転数を変化させて計測した結果，渦中心が概ね同じ位置にあり同様の流れ構造が得られた．周方向速度の最大値は1500 rpmの方が1000 rpmより大きな値をとるが，代表速度で無次元化すると同様の値を示した．また，渦中心はクランク角で変化していることがわかった． 2. 吸気ポートの開口面積を変化させて計測した結果，渦中心およびスワール比は異なる結果であった．ヘリカルポートの開口面積を大きくすることで，渦中心はキャビティ中心から離れた位置で旋回することがわかった．また，ヘリカルポートの開口面積を大きくすることで，スワール比は小さくなることがわかった． 3. 吸気ポートの開口面積および計測平面を変化させて計測した結果，スワール比は吸気行程中では各計測平面で大きく異なるが，圧縮行程では各計測平面で同程度の値を示した．また，スワール流は傾きを持つことがわかり，ヘリカルポートの開口面積を大きくすることで傾斜角は大きくなることがわかった．