噴霧熱分解法による高電位オリビン系正極材料の合成とその リチウム二次電池特性

摘要

コバルト(Co)或いはニッケル(Ni)を用いたオリビン 系材料(LiMPO4, M=Co, Ni)は構造安定性に優れ、作動 電位も高く(約4.8-5.1V)、比較的大きい理論容量(167 mAh g~(-1))を有していることから、高エネルギー密度を 有するリチウム二次電池正極材料として期待されてい る。この材料の合成は、これまで固相反応法やソルゲ ル法により行われてきたが、不活性ガス雰囲気下で高 温での合成時間が非常に長いことや、合成手順が煩 雑であることが問題点としてあげられている。そこ で本研究では、合成手順がシンプルで連続合成が可能 な噴霧熱分解法を用いて空気雰囲気下で燐酸コバルト リチウム(LiCoPO4)の合成を行い、得られた材料のリ チウム二次電池特性について検討する。