エクソソームの高効率分離に向けた単鎖抗体固定化担体の開 発

摘要

エクソソームは細胞から分泌される直径100 nm 程 度の小胞であり、癌を始めとした重篤疾病の早期診断 マーカーとして抗体固定化ビーズはバイオメディカル 分野で広く用いられており、エクソソームのアフィニ ティ分離への利用が期待されている。一方で、回収率 の低さや製造コストの高さが問題となっており、代替 法の開発が求められている。このような背景から本研 究では単鎖抗体(scFv)固定化ビーズの開発を行ってい る。特に、カルボキシ基導入ポリスチレンラテックス ビーズ(以下、PS ビーズ)へのscFv の固定化技術を構 築することを目的とし、物理吸着法(Ad)及び2種類の 化学結合法(Ac-1及びAc-2)を検討した。さらに、 scFv 固定化ビーズの固定化密度や抗原結合活性を評 価するとともに、エクソソーム回収に及ぼす分散性の 影響についても検討し、最適な固定化条件の探索を 行った。