1,2-bis(triethoxysilyl)acetylene(BTESA)膜を用いたメタノール引抜き型エステル交換膜型反応器の開発

摘要

膜型反応器は反応と膜分離を同時に行うため,平衡反応において,生成物引抜きによる稍シフトにより高い転化率を達成できる.本研究ではmethyl acetate(MA)とbutanol(BuOH)からbutyl acetate(BA)とmethanol(MeOH)を生成するエステル交換反応(MA+BuOH←→BA+MeOH)を取り极う.MeOHは最も分子径が小さくMeOHの選択除去が有利となるが,分子径0.38 nm禾StのMeOHを高透過させるためには比較的ルースな構造が必要となる.これまでに架橋型アルコキシシランの架橋基で細孔径制御を行うスぺーサ一法を提案し,エタン架橋した1,2-bis(triethoxysilyl)ethane(BTESE)膜は,比較的緻密な構造を有し,浸透気化(PV)脱水において高性能を示すことを報告した一方,三重結合を持つアセチレンで架橋した1,2-bis(triethoxysilyl)acetylene(BTESA)膜は,BTESE膜に比べてルースな構造が得られることから,MeOH分離に適すると期待される.本研究では,前駆体にBTESAを用いて製膜を行い,ガス透過とPVから膜性能を評価し,エステル交換膜型反応器に応用した.