リチウム-空気二次電池の放充電特性に及ぼす空気極用多層 カーボンナノチューブの影響

摘要

リチウム-空気二次電池(LABs)は高理論エネルギー 密度3,500 Wh(kg-Li2O2)-1を有し、外部からも酸素を取 り込み反応するためにコスト削減を期待できることか ら、次世代の二次電池として期待されている。サイク ル特性が低い要因の一つとして、放充電反応に伴う空 気極の劣化が挙げられる。近年、空気極の長寿命化の 観点から、グラフェンやカーボンブラックなどの炭素 材料に代わり、カーボンナノチューブ(CNTs)のような 電子伝導性が高く、比表面積の大きい炭素材料が注目 されている。例えば、単層CNTs をシート電極として 用い、放電容量の増加とサイクル特性の改善を実現し ている1)。一方で、多層CNTs(MWCNTs)は上記特性に 加えて、化学的安定性に優れる。炭素材料の活性サ イトは、グラフェン層のみで無く、欠陥や端部も影響 すると報告されている3,4)。 そこで本研究では、MWCNTs と比較用にケッチェン ブラック(KB)を用いて空気極を作製し、それらの特性 がLABs の放充電特性に及ぼす影響を検討した。