CO2吸収塔からの微量アミン蒸気の回収技術に関する研究

摘要

地球温暖化の原因と考えられるCO2 排出の抑制手段 として期待されるCCS は,主にアミンを用いた化学吸 収法が実用化段階にある．しかしながら,CCS 設備に おける吸収塔の脱炭素ガスに微量のアミン成分が混在 して大気放散され,人体および生態系に悪影響を及ぼ すニトロソアミンなどが発生する可能性がある．この 対策として,ミスト状アミンについてはデミスタなど で実績があり,アミン蒸気についても吸収塔排ガスを 充填層型の洗浄塔に送気し,向流接触で純水に物理吸 収させる方法が有望視されている．本研究では,アミ ン蒸気洗浄塔の設計に向け,ベンチスケールの試験に よる基礎データの取得を目的としている．アミン蒸気 はヘンリー則支配で水に溶解すると仮定し,充填層の ガス液吸収の物質輸送係数は恩田らの提案した無次元 整理式[1]から求めた．