CO2吸収剤と蓄熱材を一体化したマイクロカプセルの開発

摘要

CO2 大規模発生源から,CO2 を分離·回収·貯留する CCS（Carbon dioxide Capture and Storage）では,吸収液と してモノエタノールアミン（MEA）を用いた化学吸収法 が利用されている．一方,MEA がCO2 を吸収する際の 反応熱が大きいという課題が存在する．そこで,蓄熱を 利用し,CO2 吸収時の反応熱をCO2 脱離時に使用するこ とを提案する．具体的には,相変化物質（PCM）を利用 して潜熱蓄熱を行う．CO2 吸収剤とPCM を一体化する 方法としてマイクロカプセル化が挙げられる．このマイ クロカプセルをCO2 吸収時は常圧下,放散時は減圧下で 使用することでPCM の潜熱蓄熱を効果的に利用するこ とが期待できる．我々は既にCO2 吸収剤と蓄熱材を個々 に封入したマイクロカプセルを開発している1)．よって 本研究では,CO2 吸収剤とPCM を一体化したマイクロ カプセルを開発し,CO2 吸収時のエンタルピー変化から,反応熱がPCM に蓄熱されていることを明らかにし,本 提案コンセプトを実証する．