気体高圧力標準の開発と国際同等性の確保

摘要

圧力測定は、工業プロセスにおける流体監視をはじめとして、多くの分野で行われており、社会や産業において欠くことのできない重要な計測の一つである。近年、低炭素社会の実現へ向けて、エネルギーの有効利用を目指したグリーンイノベーションが精力的に取り組まれており、その一環として家庭用燃料電池や燃料電池車といった水素エネルギーの利用が進められている。市場投入が開始されはじめている燃料電池車や水素を供給する水素ステーションでは、70MPa超の水素が用いられている。水素ステーションの蓄圧器、燃料電池車の高圧水素容器などの圧力監視による安全性確保や燃料電池車の残量モニターなどをはじめ、高圧水素物性などの基礎研究や高圧水素用製品の検査、技術開発などのインフラ整備に向けた開発においても気体高圧力測定が行われている。今後の燃料電池車の普及により、気体高圧力測定の需要はさらに増加すると考えられる。