磁性体存在下での磁場零点に着目したビーコン探索

摘要

本論文では,探索平面上に生じる磁場ベクトルの零点を利用したビーコン探索の新しい手法を提案した.提案手法において,零点に到達してからも磁場のベクトルとしての性質を利用することで零点から埋没点へ向かう方向と埋没深さを決定することが可能になった.さらに,磁性体の存在下においては鏡像法を用いることで複数の磁気双極子が存在するビーコン定位問題に帰着し,提案手法において重要な役割を果たす零点の位置がどのような影響を受けるのかを検証した.今後の展望として,まず今回は検証を容易にするため球状の磁性体のみを扱ったが,円柱,直方体などのより多様な形状の磁性体についても検証する必要がある.更に磁性体存在下では零点をどのように利用すればビーコンにより接近できるかを調査することで,磁性体存在下でより精度良くビーコンを探索することが可能になるだろう.