IoT時代の実現に向けて今なすべきこと

摘要

PCや携帯電話などの情報通信機器のみならず、あらゆる人·モノに通信機能を持たせ、インターネットを通じ相互にデータのやりとりをすることで自動認識·自動制御を行う、さらには収集したビッグデータの解析で新たな知見を獲得·将来動向を予見することで、より効率的で、安全·安心な社会を実現するIoT（Internet of Things）時代の到来が喧伝されている。接続されるThingsはMooreの法則に似て5.32年で倍増との分析が2008年にあり、その後Cisco社がさらに分析を加え、接続されるThingsは2020年までに500億個と予測している。しかしながらこれらは5年以上前に分析されたもので、その後のスマートフォンの爆発的な普及、通信費の低価格化競争により予測数値はより大きくなっているものと考える。IoTの市場は製造業、健康産業、スマートシティ、車載、流通／販売、社会インフラなど多岐にわたるが、IoT を支えるハードウェアの中心はセンサ、特にMEMSセンサであろう。Trillion Sensorsが現実のものとなりつつある。但しこのように急拡大する市場で低成長下の日本のMEMS産業が成功するためには、多額の投資を抑えつつ、開発スピードの飛躍的向上が必須である。解決策の一つとして、国立研究開発法人 新エネルギー·産業技術総合開発機構（NEDO）より受託中のプロジェクトを実例に、また整備されつつあるオープンラボ活用を含め実行中のオープンイノベーションについて述べる。