積層構造のスケーリング設計によるCMUTの周波数特性の制御

摘要

静電容量型超音波振動子CMUT（Capacitive Micro-machined Ultrasound Transducer）は，短パルスの超音波を送信できることから，医療向け超音波診断画像を高画質化する技術として注目されている。CMUTは図1のように，2枚の電極間に空洞を設けた構造を備えている。電極間に直流電圧と交流電圧を印加し，メンブレンを振動させることで，媒質に超音波を送信する。医療向け超音波診断用途では診断対象となる部位·臓器の深さに応じて様々な送信周波数が要求されるが，これに対応してCMUTの構造を変更すると，送信音圧などの諸特性が変動してしまうため設計が非常に複雑になる。そこで本発表では，診断のために必要な送信音圧を維持しながら，送信周波数を変化させることのできるCMUTの設計方法を提案する。