ベンゾピリリウムカチオン中間体を一電子酸化剤として利用したブレンステッド酸触媒によるトルエン誘導体のC-H 官能基化反応の開発

摘要

ブレンステッド酸触媒を用いた炭素-炭素結合形成反応は、有機合成上最も基礎的かつ有用な手法の一つである。従来、この変換は基質のプロトン化によるカチオン性中間体の発生を起点として進行する。これまでに多彩な反応が達成されているが、この単純な触媒作用によって引き起きる反応は、主に極性官能基の変換に制限されている。一方で、ベンジル位のC(sp~3)-H 結合のような非極性官能基の変換は困難とされる。そのような反応を実現するためには、新たな触媒変換プロセスの開発が必要となる。