水溶液中でのアミド加水分解における金属イオンと塩基の影響:DFT 計算による比較研究

摘要

水溶液中でのアミド加水分解には過酷なpH と温度条件が必要であり、温和な条件下で進行する反応の開発が望まれている。本研究では、計算化学先行での新規反応開発を目指し、反応設計指針を得るためのDFT 計算を行った。具体的には、生理条件下でアミドを加水分解する酵素に着目し、反応中心に関与する金属イオンやアミノ酸の機能を模倣した反応系のエネルギープロファイルを調べた。さらに、分子構造·エネルギー·非共有結合性相互作用の観点で反応性を比較検討し、アミド加水分解を促進する因子を抽出した。