電解水中の酸化還元化学種の濃度に対する調製方法及び静置時間の影響

摘要

次亜塩素酸は強力な酸化剤であり、漂白剤、殺菌剤として用いられる。次亜塩素酸水はアルカリクロライド水溶液の電気分解によって生成される。電解陽極水の殺菌効果は電解助剤及びpH によって異なり、同一pH ではCsCl>RbCl>KCl>NaCl>LiCl の順、同一の電解助剤ではpH3 付近が極大となった。また同一pH,次亜塩素酸濃度では調製条件によって異なった。他の殺菌因子である活性酸素種が次亜塩素酸の分解により生成しているためと考えられた。活性酸素種であるスーパーオキシド(O2~-) の生成量は電解助剤及びpH によって異なり、同一pH ではCsCl>RbCl>KCl>NaCl の順、一族の塩化物と二属の塩化物を比較すると一族の塩化物のほうが生成量が多くなる。同一の電解助剤ではpH 増加に伴い、生成量が増加しpH10 で極大を示す。次亜塩素酸以外の殺菌因子である活性酸素種が次亜塩素酸の分解により生成していると考えられた。本研究では電解陽極水及び同時に生成される電解陰極水中の酸化還元に関与する成分に対する調製方法と調製後の静置時間の影響を詳細に検討した。