メソポーラスシリカ細孔内への充填による薬剤の揮発性制御

摘要

揮発性薬剤の効果を長期間持続させるためには，揮発を抑制して放出を制御する必要がある。本研究では，メソポーラスシリカ（MPS）の細孔内に薬剤を充填して複合化することで，揮発性薬剤の放出制御を試みた。揮発性薬剤のモデルとしてパラジクロロベンゼン(p-DCB)を使用し，MPS としては細孔径の異なる4種類のMCM-41（C10~C16,Table 1）を用いた。複合化は，30 mg のMPS を15 mg のp-DCB とともに密閉し，70 °Cで20 h 加熱静置することで行った。徐放性能は，大気中25 °Cで複合体中のp-DCB量の経時変化を拡散反射UV-Vis を用いて定量し，評価した。