特異な糖脂質コレステリル-β-グルコシドのモデル膜における脂質間相互作用の解明

摘要

コレステリル-β-グルコシド(GlcCho)は、哺乳動物の脳組織に存在する特異な糖脂質である。生体内ではグルコセレブロシダーゼ(GBA)により、グルコースがグルコシルセラミドからコレステロールにトランスグリコシル化されて生合成される。α-シヌクレインの凝集を介したパーキンソン病とステリルグルコシド（グルコース化ステロール誘導体群）の蓄積が関連していることが示唆されており、脂質膜中でCho がGlcCho に変換されることによって生じる膜挙動の変化は興味深い。そこで本研究では、脂質ラフトを構成するスフィンゴミエリン(SM)とGlcCho の相互作用について、生体モデル膜を用いてCho と比較して解析を行った。