syn 型分子内エキシマーの形成を指向した有機白金(II)錯体二量体の合成とその発光特性

摘要

有機白金(II)錯体はその高い平面性から、二分子間でしばしばエキシマーを形成する。以前、Bredasらは、理論計算からシクロメタル化白金(II)錯体のエキシマー構造を推定し、安定な構造としてsyn型とanti 型の2 種類が存在することを示した。これに関し、これまで我々は、Pt-1（Fig.1）が分子内でanti 型のエキシマーを形成し、これに起因する顕著なエキシマー発光（極大発光波長PL；661 nm）を示すことを報告した。本研究では、キサンテン骨格をスペーサーとする新規二量体Pt-2（Fig.1）を合成し、syn 型分子内エキシマー形成に焦点をあて、その発光特性について検討した。