ボールミル処理により調製した可視光応答型酸化チタン担持スギ炭素化物の光触媒性能

摘要

酸化チタンは毒t生が低く，安価で酸化力が高い光触媒であるが，吸着能力は低い. また，バンドギヤップが3.2 eVと大きく太陽光の3~4 %程度である 387 nm（紫外線）より短波長の光を吸収するため，可視光下での使用が難しい. そこで，酸化チタンに窒素等の非金属元素または遷移元素をドープし，バンドギヤップを小さくする可視光応答化が検討されている. 本研究では窒素ドープした酸化チタンをスギおが屑に担持した後，炭素化することで，可視光応答型酸化チタンを作製し，分解性能と木質バイオマス炭素化物の吸着性能を併せ持つ浄化材料を開発することが目的である. 窒素ドープ酸化チタンの調製方法として，ボールミル法を採用した. この方法は遊星ボールミルによる酸化チタンの微粒子化によって光触媒性能の向上が期待できる. さらに，ス ギおが屑への窒素ドープ酸化チタンの担持もボールミルを用いた. ボールミルを用いることにより，溶液化が不要で操作が簡便であるというメリットがある.