水またはバインダ一の添加が 石炭成型物の成型過程およびその強度に及ぼす影響

摘要

石炭資源の有効活用のために劣質炭を利用してコ一タスを製造することが求められている.しかしながら，劣質炭は石炭粒子同士の接着不良を引き起こすためにコータスの強度を低下させ，高炉操業に悪影響を及ぼすとされている.成型コータス法は，石炭を圧縮成型することで製造した石炭成型物を乾留することにより劣質炭を用いながら高強度なコークスを製造可能な手法である.一般に，石炭に粘結性を示すバインダーを混合することで成型コータスの強度が向上するとされている.また，石炭を圧縮粉砕したのち，水蒸気を加えながら造粒させることで石炭成型物および成型コータスの強度が増加したと報告 されており，用いる原料の調整方法を詳細に検討する必要がある.さらに，乾留されるまでのハンドリングゃ輸送に耐えうる強度が石炭成型物に求められる.そこで本研究では，原料の調整方法に着目し，水あるいはバインダーの添加が石炭成型物の成型過程およびその強度に及ぼす影響を実験的に検討した.