ドローン搭載カメラを用いた海氷内のクロロフィルa濃度測定の検討

摘要

アイスアルジーとは海氷域における第一次生産者であり、そのバイオマス量はクロロフィルa濃度に換算して植物プランクトンの数倍から数+倍あたる。海氷中に蓄積されたアイスアルジーは春季の融氷によって海水中に大量に放出されることから、海氷域の生態系および漁業生産への影響が大きいと考えられる。これを推定することは今後の生態系および漁業生産を推測する上で重要な指標であると考えられている。通常、海氷中のクロロフィルa濃度の測定は海氷を切り出し、実験室まで持ち帰り蛍光光度計にて測定を行っているが、この測定法では重労働であり広範囲の測定は困難である。一方、衛星からの測定では海氷上の積雪によって可視から赤外の広い範囲で80%を超える高いアルべドを持つために海氷中の測定は困難である。これまでの研究では海氷内におけるクロロフィルaを対象として海氷表面に405nmの励起光を照射することで、680nmの蛍光を分光器で計測可能であることが分かっている。さらに海氷内における光学的特性は海氷の生成過程における結晶構造などの様々な条件によって変化が生じるということもわかっている。本研究ではドローンに励起光レーザーを搭載したカメラでクロロフィルa濃度の測定開発における有効性の検討を行なった。