ディンプル型バッフル付き球マイクアレイのFDTD法による音響解析

摘要

球マイクアレイと360 度全天球カメラを組合せ、対象シーンに応じた任意方向の音を提示することで、スポーツ競技の中継?配信といった分野での高臨場音響システムの構築を検討している。球マイクアレイで集音した信号はビームフォーミング処理を行い、任意方向の音を強調可能とする。これにより、対象選手の動きに合わせて、ガンマイク（超指向性マイク）の向きを手動で追従させることなく、球マイクアレイを配置するだけで、ソフトウェア処理により、選手が発する競技音を追従することができる。スポーツ競技での集音を想定すると、球マイクアレイは小型で可搬性がよく、設置容易なハードウェアであることが望まれる。提案する球マイクアレイの外観をFig.1 に示す。マイク数は8 個、ベースサイズは、直径80 mm の球体である。各マイクの周囲には、ディンプル型バッフルを形成している。これは、構造による反射や回折の情報を利用して、ビームフォーミングの性能を向上させることを目的としている。