長鎖パラフィンからの低級イソパラフィン合成用白金担持 ゼオライト触媒のチューニング

摘要

長鎖パラフィン(炭素数:16-20)は石油精製プロセスに おいてナフサ等とともに得られるが、利用価値が乏し く、より付加価値の高い製品への転換が求められる。 長鎖パラフィンの高付加価値化の手法として、分岐パ ラフィンへの水素化異性化とクラッキングによる炭素 数の調整を組み合わせ、ディーゼル燃料に適した低級 イソパラフィン(炭素数: 10~15)に転換する手法が注目 されている。本反応系には、水素化異性化能を持つ Pt などの貴金属触媒を、クラッキング能を持つゼオライ ト等に担持した触媒が用いられる1) 。低級イソパラ フィンを高選択性で得るためには、水素化異性化能と クラッキング能を適切に調整した触媒が必要である。 我々は、これまでに Pt 担持ゼオライト触媒上での n-C10からの低級イソパラフィン(iso-C6, iso-C7)生成反応 に対するゼオライト構造の影響を検討し，MFI 型ゼオ ライトのような3次元の10員環(細孔径0.5-0.6 nm 程度) 構造を有するゼオライトにおいて高い低級イソパラ フィン収率が得られることを見出した2) 。本研究では、 本反応における目的生成物のクラッキングの抑制によ る低級イソパラフィン収率向上を目的とし、Pt/MFI 触 媒への Mg 担持が低級イソパラフィン収率に及ぼす影 響を検討した。