アルカノールアミン水溶液の CO2吸収·放散反応におけるカル バメート加水分解反応の効果

摘要

地球温暖化対策の一つとして CO2を回収する技術が 研究されている．回収方法の一つに，CO2をアミン溶液 で吸収し，加熱放散させて回収する化学吸収法がある． 化学吸収法に適したアミンは，吸収速度が速く，放散 性能（吸収したCO2と放散したCO2の量の差の大きさ） が高く，放散に要するエネルギーが小さいものである． 現在，3つの要素を併せ持つアミンは特定されておらず， 反応機構も未解明である．特に課題となっているエネ ルギーの大きさは，1, 2級アミンで生成するカルバメー トに関する反応が深く関わっていると考えられている． そこで本研究では，カルバメートの生成量が少ないア ミンの例として1級アミン AMP と2級アミン IPAE，カ ルバメートが十分に生成する例として1級アミン MEA と2級アミンDEAについてCO?吸収実験を行った。13 C- NMR 分光法による定量分析と化学平衡の解析により， カルバメートの生成反応と加水分解反応の標準反応自 由エネルギーを算出することで，カルバメート加水分 解反応の効果を検討した。