母液の微粒子除去が準安定領域巾と結晶成長速度に及ぼす影響

摘要

晶析操作は物質の溶解平衡を利用した物質の分離· 精製方法であり、様々な化学プロセスに用いられてい る。晶析の過程は、核化と結晶成長から成り立ち、求 められる結晶特性(粒子径分布や多形など)に応じて制 御がなされる。このうち核化は過飽和状態の溶液から 固相の核が出現する現象で、均一核化と不均一核化に 分類されるが、実際のプロセスではほとhどの場合、 容器や微粒子などに起因する不均一核化が起きており、 その制御が難しいため結晶の質のばらつきの原因と なっている1) 。本研究では母液の微粒子を精密ろ過膜 (Membrane Filter:MF)により除去し、除粒子による不 均一核化の抑制が準安定領域巾(Metastable Zone Width:MSZW)と結晶成長に及ぼす影響について検討し た。