機械学習を用いたプロパン脱水素反応によるプロピレン製造 プロセスの設計

摘要

世界のプロピレン系誘導品の需要は、年平均伸び率 3.3 % で増加し、プロピレン換算では 2016 年の 94.1 百万トンから 2022 年には 114.2 百万トンにな ると見込まれている[1] 。需要の増加に対応するために、 従来の石油化学プロセスまたは改質プロセスでの製造 に加えて、脱水素反応·酸化的脱水素反応·メタセシ ス反応や膜反応器の使用が注目されている[2] 。 新たなプロセスの開発において、プロセスシミュ レーターによりプラントの性能を検証しながらプロセ ス設計が行われる。シミュレーターによるプロセス設 計では、目的の性能を満たす装置条件·操作条件を探 索するのに時間がかかるという問題点がある。例えば、 一つの反応器において反応器の体積·反応時間·反応 温度·反応圧力など設定するべきパラメータが 5 個 あるとする。それぞれのパラメータに 10 通りの値の 候補があるとすると、全ての装置条件·操作条件によ る結果を得るためには 105 回シミュレーションを行 う必要がある。目的の性能を満たす装置条件·操作条 件の探索に時間がかかることによって、製品の需要に 間に合わない可能性が生じる。