発光性メカノクロモフォアを有する架橋高分子ゲルの凍結誘起メカノルミネッセンス

摘要

テトラアリールスクシノニトリル(TASN, Fig. 1a) 誘導体は力学的刺激により安定なラジカルを生じ桃色着色と紫外光 (365 nm) 照射下で黄色発光を示す発色·発光性メカノクロモフォアである1。演者らは以前、別のメカノクロモフォアをもつ架橋高分子ゲルを凍結させると、溶媒の凝固により架橋高分子鎖に印加された応力で、メカノクロモフォアが着色する現象を発見した2。本研究では、TASN骨格を有する架橋高分子ゲル (TASN gel, Fig. 1b) を作製し、その凍結誘起メカノルミネッセンスを初めて観測することに成功したので報告する3。