非平衡環境がもたらす分子·高分子間相互作用の増幅効果と階層性超分子構造の創製

摘要

超分子構造体をナノスケールで厳密に制御し、期待した機能を創発させる手法として、デザインされた分子を用いたボトムアップ自己組織化が主流となっている。しかし、分子をデザインし集合させることと、ナノメートルからマクロスケールに至る分子組織体の複雑な階層構造を創出することの間には、未だ大きな隔たりがある。我々は、従来のボトムアップによる超分子形成をトップダウン的に制御する手法として、マイクロ流体デバイス内の特殊な流体環境を利用することを提案してきた。従来の超分子形成システムとは一線を画し、これまでにサブマイクロスケールにおける明確な階層性と複雑性を合わせ持つ超分子構造体の創製が可能になることを様々な分子で示してきた1) 2)。