セルロースナノファイバーによる香り徐放性の挙動評価

摘要

セルロースナノファイバー（CNF）は、木材などの植物繊維から得られ、幅は、数 nm～数 十 nm 程度の繊維状物質である。CNF は、保水性、乳化安定性、チキソトロピー性などの化 粧品分野にとって有利な特長を有しており、近年 CNF の特長を活かした化粧品研究が盛hに 行われている。しかし、化粧品にとって重要である香りの研究は、著者の知る限り行われてい ない。そもそも香りが重要とされるのは、賦香以外に心理·生理効果があると言われ、香りを 利用することで、健康の維持、増進を図ることが可能となるからだ。つまり日々使用する化粧 品において、 この香りを徐放させることができれば、長時間香り成分の機能を作用させること が可能となる。そこで、本研究では、CNF を用いた香りの徐放性についての研究を行った。