カーボンナノオニオンを核とした高温プロセスによる極低欠陥カーボンナノチューブ形成

摘要

カーボンナノチューブ(CNT)の欠陥低減?高結晶性化はキャリア輸送特性などCNTデバイス性能の向上に要請される技術である。そのためのアプローチとなる高温での化学気相成長（CVD)法は、金属触媒を用いた通常のプロセスでは成長核の凝集などのため困難であった。本研究では、この課題克服へのアプローチとして高温で安定な炭素ナノ粒子を成長核とした。CNT成長核としての活性をもつナノダイヤモンド(ND)を900°C以上の高温で処理するとダイヤモンド（sp~3）構造からグラファイト（sp~2）構造に変移し、カーボンナノオニオン(CNO)が形成する。これまで、CNOは高温プロセスで高結晶性CNT成長が可能であることを示した。今回は、課題であった成長効率増大を目的として、エッチング作用を持つ水の添加が高温でのCNT成長に与える効果を検討した結果を報告する。