Al-25％Si合金を用いてダイカスト法により作製した薄肉ヒートシンクモデルの欠陥が放熱性能に与える影響

摘要

近年，車載用LEDヘッドランプに用いられているアルミニウム製のヒートシンクは軽量化が求められている．先行研究においてADC12合金よりも流動性に優れるAl-25％Si合金を用いることで肉厚1皿以下のフィンを有する薄肉ヒートシンクの作製に成功し，従来のヒートシンクより30％軽量化が可能であった。しかし，過共晶Al-Si合金ではSi量の増加に伴い鋳巣の発生が多くなることが知られており，ADC12合金よりも鋳巣の発生が多くなる．また，射出速度を低減すると金型寿命が向上するが薄肉ヒートシンクは薄肉のフィンを有しているため，フィンに未充填や湯境が発生しやすい．鋳巣や湯境はフィンを伝わる熱の熱抵抗となると考えられる．未充填はフィン表面積を減少させ放熱性能を低下させると考えられる．そこで，本研究では鋳巣,湯境，未充填が薄肉ヒートシンクの放熱性能に与える影響について実験を行った．