水素貯蔵用アルミニウム合金の疲労特性

摘要

近年，大気汚染や化石燃料枯渇などの地球環境問題の対策の一つとして水素エネルギーの有効活用が注目されている．特に自動車分野では，水素を燃料とする燃料電池自動車（FCV）の研究開発が進められており，トヨタ自動車は2014年11月に燃料電池自動車MIRAIを市場投入した。そして，FCVの普及に伴い，水素を供給する水素ステーションの普及が求められている．水素ステーションでは，高圧（約100MPa）の水素を貯蔵する蓄圧器を使用する．蓄圧器は，鋼製のType-1，金属ライナーまたは樹脂ライナーの周囲全体を炭素繊維強化プラスチック（CFRP）で覆う方式のそれぞれType-3，Type-4とすることになっている．住宅地などにステーションを建設する場合に，住宅からの離隔距離や地価の点から，軽量なT沖か3容器を積み上げたり，事務所建屋屋上に設置することが有効と考えられている．