キレート剤を用いて金属を導入した NiCuAl-LDHによる水蒸気改質

摘要

水素（H2)は現在、天然ガスから製造されているが、資源枯渴の観点から、近年ではバイオマス由来のメタノールからの製造が研究されている。メタノ—ルの水蒸気改質（MSR)には、改質で生じたCO とH20が反応し、さらにH2を得る水性ガスシフト(WGS)反応を伴う。MSRに用いられる触媒に関して、種々の金属種の中でもNiはMSRを進行させ、CuはWGSを進行させることが報告されているり。また、ー般に層状複水酸化物（Layered Double Hydroxide: LDH)は焼成すると、粒子径の小さなスピネル型酸化物固溶体が生成するため、還元後には金属種が微粒子化し、活性が向上することが知られている。さらに、キレート剤は多くの金属ときわめて安定な水溶性キレート化合物をつくり、吸着金属の分散性を向上することも報告されている。