酢酸発酵によるリグノセルロースからの高効率エタノール生産

摘要

現在、実用化されている第一世代バイオエタノール生産は、サトウキビの糖蜜やトウモロコシのデン プンを原料にしているため、食糧や飼料作物との競合による問題を引き起こしている。一方、セルロー ス系資源を用いる第二世代バイオエタノール生産は、 硫酸やセルラーゼによるリグノセルロースの糖化前 処理と酵母によるアルコール発酵から成るが、式1のようにセルロースからの単糖（グルコース）1molから2molのエタノールしか生産できず、かつ2mol もの二酸化炭素（1tのグルコースから理論上489kg、約50wt％の二酸化炭素）が排出される。また、残存 リグニンはもっばらサーマルリサイクルされ、二酸 化炭素として排出されるなど、エタノールへの炭素 利用効率が極めて低く、多くの問題を抱えている。