化学および加熱処理によりチタン金属電極表面に 形成されたナノ網目構造の水熱処理による表面改質

摘要

電極材料を色素増感太陽電池などの光反応を利用する電極として応用するためには、電極表面が大比表面 積を有し、高い導電性と触媒修飾性を示す必要がある。既に我々は、チタン金属にKOH－HCl－窒素雰囲気 加熱処理を行い、その表面に導電性に優れる窒化物層および触媒修飾に有利な酸化物層からなるナノ網目構 造を形成させることにより、この材料が電極として応用できることを確認している[1, 2]。効率的に光反応を 行うためには、高い導電性に加えて、その表面に触媒修飾の起点となる官能基(主にTi-OH 基)をできるだけ 多く形成して触媒をできるだけ多く修飾する必要がある。そこで本研究では、異なる溶液種を用いた水熱処 理を施すことにより、水酸基の形成量、導電性、結晶構造におよぼす影響を検討した。