メソポーラスシリカ表面への段階的なチタニア析出による メソポーラスシリカ/チタニアナノ複合体の作製

摘要

メソポーラスシリカ(以下 MS)は均一かつ規則的な細孔および高比表面積を持つことから、触媒担体や吸着 剤などへの応用が期待される。MS 表面に異種金属酸化物層を析出させることにより、細孔表面の性質を多 様に制御できる可能性がある。特に、等電点の高いチタニア層を析出させた MS/チタニア複合体は、金ナノ 粒子触媒の担体として有用であることが報告されている 1) 。 MS の細孔表面に金属酸化物を均一に析出させる 手法として、表面 Si-OH 基と金属アルコキシドの反応を用いる、表面ゾルゲル法が知られている。しかしな がら、表面ゾルゲル法によるチタニア析出の厚みの精密な制御に関しては、未だ十分検討されていない。ま た、析出の均一性に関する議論も未だ不十分である。そこで本研究では、複数回のチタニア析出により分子 レベルでチタニア層の厚さの制御を試み、その詳細な分析を行うことで MS へのチタニアの析出挙動を調査 した。