(S7.24-S0108)ネオジム焼結磁石の保磁力に及ぼす粒界相と副相の影響

摘要

ハイブリッド·電気自動車の駆動モーター用ネオジム磁石では、動作環境の180~200°Cでも減磁しないよう、Nd の一部をDy で置換した高保磁力磁石が用いられているが、Dy は希少かつ高価な重希土類金属なので、Dy を使わずに高保磁力化する技術が開発されてきた。ネオジム磁石には、Nd2Fe14B 主相の粒界3 重点にNd が濃化したNd リッチ相と呼ばれる副相や、結晶粒界に沿って形成する厚さ数nm のNd リッチ粒界相が存在するが、これらの異相界面の構造や組成が保磁力に大きな影響を及ぼす。本講演では、ネオジム焼結磁石の微細組織をSEM、Cs-corrected STEM、3DAP を駆使して観察した結果から導き出される組織と保磁力の関係と、粒界·異相界面制御による高保磁力化に関する最近の研究成果を紹介する。