航空航法に対する宇宙天気の影響と宇宙天気情報の利用 について

摘要

米国が1995 年に開始した宇宙天気プログラム1)によれば、宇宙天気とは「太陽から地球の超高層大気に至る領域の、宇宙と地上の様々なシステムの性能と信頼性に影響を与え、また人の命や健康に危険を及ぼす恐れのある諸現象」とされている。航空の世界では，「宇宙と地上の様々なシステム」を活用しており、古くは短波の電離圏伝播を用いた長距離無線通信が用いられ、近年では衛星通信が、さらに航空航法においても米国のGPS に代表される測位衛星を用いた全世界的衛星航法システム(GNSS)の利用が進hでいる。国際民間航空機間(ICAO)に置いては、GNSS を次世代の中心的な航法システムととらえ、出発から着陸までの全てのフェーズにGNSS を導入することを目指しており、宇宙天気現象が航空システムに対して及ぼす影響を評価するとともに、宇宙天気現象を正しく理解し、さらに宇宙天気情報も活用して影響の回避策を開発していくことは非常に重要である。