圧延によるCNF/アルミニウム複合材料の組織制御と電気伝導性への影響

摘要

カーボンナノファイバ（CNF）は、優れた機械的特性、高熱伝導性、高電気伝導性、低熱膨張性を持った短繊維であり、アルミニウム（AI）と複合化することにより、優れた構造材料、放熱材料、電線材を作製することが可能である。一方、近年、パワー半導体や高輝度LEDの利用が拡大しており、高出力化、高集積化により発熱量が増大している。その為、配線材料に於いても高い電気伝導性と伴に、放熱性、高温での優れた機械的特性、低熱膨張性が求められる。また、安定した電力供給を行うために電気をロスなく運ぶ高圧送電が可能な材料の開発が求められている。従来、電線材料としての複合材料の利用は研究されているが、コスト性などの問題で実用化には至っていない。CNFの中には、比較的安価なものがある。しかしながら、CNFの機械的、機能的特性には高い異方性があり、繊維軸方向にしか高い熱。電気伝導性を示さない。また、短繊維であるため、複合材料として用いた場合、その方向性の制御が重要となる。