硼化チタン粒子分散アルミニウム複合材料の粒子分散性が熱·電気伝導性に与える影響

摘要

二硼化チタン（TiB2）は、優れた機械的特性とともに、セラミックスとしては高い熱伝導性、高電気伝導性、低熱膨張性を有する材料であり、アルミニウム（Al）との複合化により、優れた放熱材料、電線材を作製することが可能である。放熱材料、電線材のアルミニウム系複合材料としては、従来より、SiCや炭素の粒子や短繊維、長繊維を利用した材料の研究開発が行われているが、SiC系については、熱膨張係数が比較的大きい為、粒子体積率が高くなり、加工に問題がある。一方、炭素系材料は、アルミニウムとの界面反応性、界面での熱伝達係数の低さが問題となっている。TiB2は、これらの問題を解決できると考えられるが、TiB2は一般には粒子として供給される為、粒子分散型の複合材料としての解析が必要となる。複合材料は、その組織が機械的性質や機能特性に与える大きく影響することより、本研究では、TiB2粒子の分散性が電気伝導性や熱伝導性に与える影響を明らかにすることを目的とした。