(215-0116)Nb とAg を添加した非晶質リン酸カルシウム膜の溶解性と抗菌性

摘要

人工関節等の硬組織代替デバイスには骨との迅速かつ強固な結合が求められる。一方、これらのデバイス表面に付着した細菌が原因となる手術部位感染(SSI)を防ぐためには、デバイス表面への抗菌性の付与が有効である。当グループでは、骨形成能と抗菌性の両方を実現させるために、骨適合性向上に有効な非晶質リン酸カルシウム(ACP)および抗菌性を有するAg に着目し、Ag 含有ACP コーティング膜を作製し、その抗菌性を評価してきた[1]。ACP の溶解に伴うAg の放出が確認されたが、長期間の抗菌性発現にはACP の溶解速度の抑制に伴うAg イオンの徐放が必要である。そこで本研究では、ACP の溶解速度抑制に有効なNb を添加したNb 添加Ag 含有ACP (Nb/Ag-ACP)コーティング膜を作製し、その溶解挙動および抗菌性を評価した。