( 124-0355) 第一原理計算によるTi-Ni-X 合金中X 元素の添加位置の予測横峯 智仁阪大工

摘要

形状記憶合金として広く利用されているTi-Ni 合金において、第3 元素を添加しその特性を調整する実験的研究が進められている。この系では第3 元素の添加により、通常のB19’と呼ばれる相に加えてR 相やB19 相と呼ばれる新たなマルテンサイト相が出現することが実験的に発見されており、相変態と電子状態の関係を明らかにするために系統的な研究が不可欠とされている。3d 遷移金属元素を第3 元素として添加した場合、Fe やCo はCr, Mn やCu に比べて、Ni 位置を占有する傾向が強いことがALCHEMI 法を用いた実験[1]により確かめられている。本研究では、第一原理計算を用いTi-Ni 合金における第3 元素の原子位置の決定を行い実験結果と比較する。また、電子状態の解析からTiと第3 元素の化学結合の変化について系統的に議論する。