(S4.28-S0245) K2NiF4 型構造を有する希土類酸水素化物の高圧合成と結晶構造、イオン導電性

摘要

K2NiF4 型構造を有するLa2LiHO3 は、ヒドリドイオン(H?)が酸化物骨格中をイオン伝導する酸水素化物として報告されている[1]。H?/H2 の標準酸化還元電位(-2.25 V vs. SHE)はMg/Mg2+(-2.38 V vs.SHE)とほぼ同等であり、H?導電体を固体電解質に適用した高エネルギー密度を有する新規エネルギーデバイスの開発が期待される。K2NiF4 型構造を有する酸水素化物La2-x-ySrx+yLiH1-x+yO3-y において、H?に欠損を導入(x)、またはH?濃度を増加(y)させることでイオン導電率が向上することが明らかとなっているが、拡散経路を形成するランタノイドイオンを変化させた際の構造とイオン導電性への影響は明らかになっていない。本研究では、ランタノイド種を変えたLn2LiHO3(Ln = La, Pr, Nd)を合成し、Aサイトのイオン半径が結晶構造及びイオン導電率に及ぼす影響を調べた。