(S4.6-S0039)電子ビーム積層造形した格子状多孔体の例に見る金属積層造形の現状と課題

摘要

３Ｄプリンタ、付加製造（Additive Manufacturing）や積層造形と呼ばれる、微少量の材料を積み上げて立体構造を得る技術の登場により、従来は不可能であった構造の製造が可能となった。軽量構造物等に用いられる多孔体を例に挙げると、従来のハニカムや発泡金属の要素構造は、各製造プロセスで実現可能なものに制限されるが、積層造形では任意形状に制御されたセル状構造の造り込みが可能となっている。一方、金属積層造形では、得られる造形物中の結晶粒や第二相等のサイズ、形状、方位、分布等即ち組織が、従来プロセスで得られるものとは大きく異なる場合があり、これを活用した新材料開発も可能である。本講演では、現行の金属積層造形プロセスを俯瞰するとともに、我々が行ってきた構造最適化計算と電子ビーム積層造形（EBM）を用いた生体用Co-Cr-Mo 合金多孔体のヤング率制御の取り組みを紹介する。またその結果に基づき材料学的課題と今後の展望を議論する。